KK012
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KK012
title:
Texture in glass tubes and reed organ
artist:
Minoru Sato (m/s, SASW) + ASUNA
time:
59'07"
format:
CD

tracklist

1.
Superposing five harmonic states
mp3
2.
Weaving seven resonances: with raw stereo material
mp3

ext by Minoru Sato (m/s, SASW)

SASW(佐藤実)+Asuna(嵐直之)のユニットは、空気オルガンとガラス管を用いて音の物質的な性質=物理現象に着目した「音楽」を奏でてきま した。楽曲構成を持たせていますが、扱う現象自身が空間の状態(オーディエンスも含めた会場の状況)に依存し変化するので、それらを取り入れた演奏となります。今回、レコーディングという事で生の空間性やライブ的な一回性を排除する代わりに、特定の時間の分節の中に響きの構造を組み立てることにしました。それは丁度織物=テキスタイルのように規則的に「響き」を編み込む作業に似ています。(本作では、下記2曲を収録)

"superposing five harmonic states"は、オルガンの和音とガラス管の響きの関係で特徴的な音響効果が得られる5つの調和状態を探し出し個別に録音。それらを特定の時間経過の中で規則的に重ね合わせて構成。オルガンとガラス管の響きをそのまま活かし、5つの別々の音源で織ったような楽曲となっています。

"weaving seven resonances: with raw stereo material"は、オルガンとガラス管の関係から響きが微妙な均衡を保つ状態を録音。その音源から7つの特徴的な周波数成分を抽出し、それぞれの音量を任意に割り振った周期で変化させ再構築。1つの録音物から抽出して作ったこの曲は1本の糸で編んだような楽曲となっています。

パフォーマンスが一回性の出来事に立ち会うような音楽(いまここで起こっている現象を省みる事)と位置付けるなら、CDでは現象としての音の構造を解析しその様相を聞かせる音楽(構成された音を通して響くという現象を物語る事)と位置付けられるかもしれません。