本作は、ポータブルのラジオ、FM トランスミッター、4隅のスピーカー PA、ファウンドサウンド、インディアンの民族楽器シュルティ・ドローンボックズを用いたライブ型作品。
会場のステージには、本人は登場せず、客席の一番後方にミキサーとシュルティ・ボックスを持ってスタンバイ。そして、会場の四隅にはサラウンド・システムのスピーカーとサブ・ウーファーが設置されているが、
前のほうは両側とも左チャンネルで、後方のスピーカーは両側とも右チャンネルである。さらに客席に座るお客さんにはランダムにラジオを持たせ、FMトランズミッターで送信した音をキャッチ
するように仕掛けてある。ヤネックが放つ半分の音は、お客さんの手元にあるラジオから出力され、その音はラジオ同士で干渉しあい、さらに四隅のスピーカーを共ない変動する。
こうして会場自体がまるで楽器のように鳴り、演奏者もステージにいないので、お客さんはさながら映画のような気分を味わえる。つまり、この作品は音の質感、空間的な響き、
インディアンの民族楽器を結びつなげ、全くの異次元へと誘うものである。なお、この作品は産まれてくる息子Phoenixの誕生を祝うために書いたものである。
本作は、A Thing About Machines Festivalに委託され制作。